ーふたりー
校門を通過し、やっと混雑から解放された僕は、ジャンパーのポケットから携帯を取り出して、母さんに電話をかけた。


ーー多分、きっと…家の中で落ち着かずに、ウロウロしているんだろうな。


《プルルル…プルルル…》


そんなことを考えながら、1人で苦笑いを浮かべて、電話を出るのを待っていた。


【ーー壮介、どうだった?!】


電話に出た母さんの一言目は、これだった…。


僕は聞こえないくらいの声で、フッ…と笑うと、「大丈夫だよ、合格したから」と応えた。


【おめでとうっ!お父さんにも、電話で知らせなくちゃね♪】


……なんて言ってるけど…「今の時間、父さん仕事中だろ…?」と、呆れながら僕は母さんに指摘した。



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