ーふたりー
「ーーただいま」


「おかえり…あら、可愛い猫ちゃんね」


「にゃ〜ん…」


「コイツ、僕が居なかったら、電車に引かれて死んでたよ、今頃」


そう言って僕は、グリグリと猫のほっぺをつつくと猫は、甘噛みしてきた。


「悪かったよ〜…そう、怒るなって……ねぇ、母さん…この猫飼っていい?」


「…壮介が、面倒みるならね」
クルリと前を向き直し、母さんはリビングへと向かって歩いて行く後ろ姿を見ながら、僕は良かったな〜…と呟くと、猫は応えるように、「にゃ〜…」と言った。


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