おとぎ噺
「いや、それはあたしもそうだと思うよ。だからもういい。あたしの中では二回も聞けて幸せだなって思ったから。それよりも、夢の中では伊織は“駅前のビルに会社がある”とも言ってたの!」


「間違いではないだろ?」


「そうだけども!」

なんだか飄々としている伊織に少しイライラして来た。


「俺たちは現実に出会えたんだ。夢のことは忘れてこれからの話をしていこう?」


「あたしが言いたいのは、次期社長だなんて、」
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