おとぎ噺
「千歳。」


「な、なに。」


伊織が真剣な顔であたしの両手を握ったからたじろいでしまった。


あぁ、この顔ずっと独り占めしていたいです。


「俺たちは出会って間もないから、これから戸惑うことも、不安になることもたくさんあるだろう。だけど、俺はずっとお前のそばに居て、一緒にそれを乗り越えていきたい。高島千歳さん?」


「はい。」


「私榊原伊織と結婚してもらえますか?」


「っ…、はい。」


「ありがとう千歳。全力でお前を守るよ。ずっと幸せに暮らそうな?」


「はい!」
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