【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜
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「俺は綾斗の兄貴と友達でな、よく家に遊びに行ってたんだ。だけど、ある日いつも通りに綾斗の家に行ったらアイツはいなかった。綾斗に聞くと母親と一緒に行ったと。綾斗の親は離婚してアイツは母親に着いて行ったんだ。俺は何にも知らなくてな、裏切れたと思った。俺にはアイツしかいなかった。もう一人になったんだと思ってたけど、綾斗が俺の友達になってくれたんだよ」
オーナーさんに聞かされた綾斗の関係は綾斗の過去とオーナーさんの過去でもあった。
昔、一度聞いた綾斗の親の離婚話。
その裏にオーナーさんと綾斗のお兄さんの話があったなんて。
「そうなんですか。」
なんて言ったらいいのか分からなかった。
こういうしか思いつかなかった。
「あ、そんな湿っぽくならないでよっ!俺は綾斗のおかげで一人にならずにすんだんだし、ね!これから料理も運ばれてくるから!」
すごく強い人だな。それがオーナーさんの第二印象だった。
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