【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜



-



「俺は綾斗の兄貴と友達でな、よく家に遊びに行ってたんだ。だけど、ある日いつも通りに綾斗の家に行ったらアイツはいなかった。綾斗に聞くと母親と一緒に行ったと。綾斗の親は離婚してアイツは母親に着いて行ったんだ。俺は何にも知らなくてな、裏切れたと思った。俺にはアイツしかいなかった。もう一人になったんだと思ってたけど、綾斗が俺の友達になってくれたんだよ」




オーナーさんに聞かされた綾斗の関係は綾斗の過去とオーナーさんの過去でもあった。



昔、一度聞いた綾斗の親の離婚話。


その裏にオーナーさんと綾斗のお兄さんの話があったなんて。




「そうなんですか。」



なんて言ったらいいのか分からなかった。
こういうしか思いつかなかった。



「あ、そんな湿っぽくならないでよっ!俺は綾斗のおかげで一人にならずにすんだんだし、ね!これから料理も運ばれてくるから!」




すごく強い人だな。それがオーナーさんの第二印象だった。





-
< 22 / 65 >

この作品をシェア

pagetop