【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜
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「あの、これってシーグラスですよね?」
「え?」
急に私が聞いたのにも関わらず、ランプの話をするものだからオーナーさんが間抜けな声出した。
「「プッ」」
ほんと間抜けな声で綾斗と私は笑ってしまった。
「ちょっと、笑うなよなあ!失礼なカップルめっ」
と、オーナーさんは口を尖らせながらいじけたように言ってみせた。
「オーナーさん、可愛くないですよ」
私が笑いながら言うと、
「あぁ−。ランプあげようと思ったのにー。残念だねぇ」
「え、あげるって」
「このランプのこと知りたいんでしょ?」
コクっと頷くとオーナーさんはまた語り始めた。
「彩花ちゃんの言う通り、これはシーグラス。よく海に落ちてる硝子の破片。っても波に揉まれて片は丸くなってるんだけど、これってすごく綺麗でしょ?ちっちゃい頃から俺ね海が好きで。泳ぐのも好きだけどこのシーグラスをいっつも探して集めてたんだよね。シーグラスってさ、人間と同じでそれぞれ個性があって素敵だろ?いろんな色があっていろんな形があって。夢だった店を持って、何か形に俺らしさってのかな?残したくて。昔から好きな海、シーグラスを用いてランプを作ったんだ。」
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