【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜







「よかったな」



綾斗が笑って言った。


「うんっ」



すると、綾斗が「俺からも」


と言いながら、何かを私に差し出してきた。



「え?」



私は戸惑いながらも、その何かに手を伸ばし受け取った。



「誕生日おめでとう、彩花。」




あ、これは誕生日プレゼントなんだ。



と理解するのに時間は掛からなかった。



そして、私に込み上げてきたのは




「…ふぇ…、あ、ありがとぉぉおっ」




涙だった。





や、やっと言ってもらった「おめでとう」がすごく、すごく嬉しくて生まれてきてよかったと思った。



綾斗が好きって気持ちがまた膨らんだ。




「ったく、泣き虫。」



と呆れながらも、私が流した涙を優しく親指で拭いてくた。







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