【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜







車の中では沈黙が続いていた。



ラジオの流れる音が居心地をよくさせた。




どれくらい経ったのだろうか。



車が停まりエンジンを切ると、
綾斗は車を降り、助手席のドアを開けて私の手をとってくれた。



綾斗に連れてかれて見た目の前の景色は、




「……きれい」




私の目には綺麗な夜景が広がっていた。



隣に立つ綾斗の手をとり私の手と繋いだ。





今しかないのかも知れない。



彩花…お別れをするんだ。



綾斗とバイバイをするんだよ。




頭の中で、そうは言っても口が開かない。



何て、何て言えばいいのだろう。



何て、さよならを伝えればいいのだろう。



さよならを決めていたのに何て伝えるのか考えてない私はつくづく馬鹿だ。



小さく深呼吸をする。



ここは勢いに任せよう。



そして私は口を開いた−。






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