【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜

ついに壊れた関係








車の中は行き掛けと同じように静かだった。


ただ違うのが気まずい雰囲気のみ。



そう。私たちは終わってしまったのだ。


だけど実感は全く湧かない。

ちょっとした喧嘩をしたあとの気分と何ら変わらない。


でも別れを言ったのは私。


そう考えると何とも言えない気持ちに襲われた。



本当は別れたくない。綾斗が大好きだから。ずっと傍に居たかった…っ



涙が溢れそうになり手元にある綾斗から取ってもらったクマの縫いぐるみをぎゅっと抱きしめる。



泣いちゃだめなんだ。


彩花…、我慢するんだ。



バイバイしてからたくさん泣こう。



必死に自分に言い聞かせて涙を堪える。



静かに流れるラジオのラブソングがこの空気には不似合いだった。






「なぁ…」



ビクッと身体が揺れ動いてしまった。



「何で別れなきゃなんねーの?」



綾斗…。





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