【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜
綾斗side
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目の前にいる、彩花が訳の分からないことを言い出して来た。
「別れよう」
別れようって?
俺から彩花が離れてって違う男のモンになるのか?
「は?何の冗談だよ」
そうだ。彩花のふざけた冗談にすぎない。
きっと笑って「えへへ、バレたあ?」なんて言うんだ。
「冗談なんかじゃないよ。別れよう、綾斗」
「な、なんで」
自分でもびっくりする程、俺は消え入りそうな声で彩花に問い掛けた。
「綾斗は社会人で中々会えないでしょ?そして私は大学生。生活リズムが違いすぎて私はそれに着いていけなかった。会えない時すごく寂しくて我慢してた。だけど、もう疲れちゃったの。だから別れよう…」
声が出なかった。
俺は自分のことで一杯で彩花のこと不安にさせてた。
俺は愛想尽かされてしまったんだ。
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