【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜
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家に着いても、あの光景が頭から離れる事はなかった。
そのせいか、家族が心配している。
「ちょっとー、彩花(サイカ)そんな湿っぽい顔しないで頂戴。ご飯がまずくなるじゃないっ」
なあんて、目の前で母が言っていて、
「んだよ、姉貴。失恋でもしたのか?俺の先輩紹介してやろーか?」
とか、まるで何でも知っているように笑いながら話す、弟。
「誰なんだ相手は!?彩花を泣かすような男はお父さんが許さん!」
と、何故か熱くなってる父。
「なんか、みんなのせいで食欲なくなった。ごちそうさま。」
そう言ってリビングを出た。
「おい、あの大食い食いっぱり彩花女王が晩飯食わずに部屋に戻ったぞ…」
と、家族が残されたリビングで驚いてるとも知らずに…。
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