【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜







開いた口が塞がらないとは、まさにこの事だ。


口元に手を当てて一人考える。



どうして、あの人が此処に…?


ただの偶然なのか?

それとも、私に用事が?


わかんないことを考えても同じだ。


そう自己完結した時、ちょうど店長の声が聞こえた。


「彩花ちゃーん!オムライス出来たよ」


「はぁーい。今行きますねっ」



店長からオムライスを受け取りカウンター席へ運ぶ。


「お待たせいたしました。オムライスです」


カウンター越しのあの人にオムライスを渡す。


「あら、美味しそう。」


「ありがとうございます。ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」



そう言うと、女性はこう言った。



「いえ。あなたと話したいわ。」




私は血の気がサアーッと引いた。






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