【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜







あれから、どれくらい時間が経っただろうか。


ソワソワしてしまってテレビを付けても集中するのは綾斗の声で。


落ち着くのは無理だった。



すると、さっきの無愛想男が事務所に入ってきて。



「トイレに行きたいなら行けば」


と言いながら私の横に腰掛けた。



「なっ!そんなじゃ」


「冗談だよ。ふっ」



ムッキーィ。何なのよ、コイツっ!



「あ、あんたねぇっ、」


「そんなデカイ声出したら綾斗さんに気づかれるよ?」



こ、コイツ、ムカつく。


「うるさいわねっ」


「もう相当、綾斗さん酔ってたからそろそろ華麗さんに呼ばれると思うよ」



さっきとは打って変わって声色が変わった無愛想男。



なんだ根は優しいの?



「…うん」


「ま、頑張れよ。振られたら俺が慰めてやるし?」




前言撤回。ムカつく最低無愛想男だコイツは!



「お断りします。」



私がそう言ったあとのすぐに携帯から流れる音楽。



「頑張れよ」


そう言って出て言った無愛想男。


メールでもちろん華麗さんから。



”出ておいで”



この時が来たのだ。





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