【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜







そっと扉を開けると、さっきよりも聞こえやすい綾斗の声。


綾斗の声がするテーブルの方へ歩みよるたびに大きくなってく綾斗たちの声。



後ろ姿だけど綾斗の姿が見えた。



いつもの綾斗とは違って背中が小さく見える。


久しぶりに見た綾斗を見て泣きそうになる私。



綾斗…会いたかったよ。



今すぐ駆け寄って抱き着きたい。



少し距離を開けて綾斗の後ろに立った。


綾斗は全く私に気づいていない様子だ。



すると綾斗は話し出した。



「今日だってな、俺は彩花と過ごすつもりだったのによー。なんで俺はこんな男だらけのところで飲んでんだっつーの!」



初めて見る、酔った綾斗。

こんなになっちゃうんだね…(苦笑)



そして、こう続けた。



「彩花に会いてぇよ…」


消え入りそうな声だけどしっかり聞こえた。



そして綾斗に近づき呼び掛けた。



「綾斗、会いにきたよ」





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