Kiss★恐怖症
『ではではでは!!お待ちかねのキスターイム!!』


…来たか。


なんでミス聖南になっちゃったのか。


いや、まずなんでキスが伝統なのか。


どっちが間違ったのかわからないけど、まずは危機を乗りこえなければ!!


『では、ミス聖南からミスター聖南へのほっぺにキスのプレゼントでーすっ』


この言葉を発端に、キスコール発生。


…よし、考えた通りに
実行しよう。


作戦とは。


左手でキスするとき、見えないように隠す。


右手の指二本で唇を隠し、そしてあとはキスする真似をするのみ。


だから、実際神谷直樹のほっぺに当たるのは、唇ではなく指ってわけ。


これで、完璧でしょ。


本当は、ほっぺにキスでも恐い。


でも…バレて恥さらしになるのはもっと嫌。


うん、イケる!!


「…おい、お前。何、気合いいれてんだよ」


「ううん。何にも」


真っ正面じゃないし、唇付けないし、目をつむって勢いよくいけば大丈夫。




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