Kiss★恐怖症
それは。


それはそれは


一瞬のできことだった。


まばたきする時間もないぐらい。


一瞬だけど、理解するのに時間がかかる。


理解できた瞬間。


私は真っ赤に染まる。


「…な、ななななあぁぁぁあ~っ」


「うるさいから、お仕置き」


そう言った直樹は、先に歩いていく。


私だけその場から足が動かない。


直樹が私の頬にキ、キキキス~っ!!??


また"あれ"を思いだ…ん?


今思えば、思い出してない。


いつもなら。


思い出してたはず。


「直樹!!」


「んー?」


返事をするが、足は止めず、振り返りもしない。


「私、ふいうちだったら思い出さない!!」


私は直樹に小走りで駆け寄る。


「何が?」


「あれよ、あれ!!」


「あーあれね」


「…」


あれ…。


なんか冷たい…?



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