Kiss★恐怖症
直樹の歩くスピードが速くなる。


「ちょっと―…」


「…」


私からどんどん離れていく。


と思ったら、校門を出たところで足を止めた。


私はできる限りの速さで直樹に追いつく。


「直樹。どうしたの…?」


さっきまで何もなかったのに。


なんでいきなり―…。


「別に」


返事がまた素っ気ない。


「じゃあ何…」


「別に何も」


私と視線を合わせようとしない。


…本当になんなの…?


「言ってくれなきゃわかんないじゃん」


「所詮フリ、フリって何回も言うから嫌になっただけだし」


そう視線をそらしながら言った。


「え…フリはフ「あーもう!とりあえず、気をつけて帰れよ!じゃーな!」


私の言葉を遮り、直樹は私と逆方向へと速足で帰っていった。


私は、なぜか取り残された気分。


そして、疑問が頭の中に浮かぶ。




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