Kiss★恐怖症
"フリはフリなのに、なんで言ったらだめなの?"


本当のこと。


フリはフリ。


それ以外の何ものでもないのに―…。


よくわからない。


私も、駅の方向へと向きを変え、歩き出す。


キスできないって言ってるのに、キスするとか。


でも。


頬なら大丈夫かもってことが分かった。


これは、キスを避けてきたからわからなかったこと。


だから新しい発見。


キスできないからって、避けてちゃだめなんだ。


できないからやらないもだめなんだ。


直樹任せもだめ。


私の問題なんだから、私から行動しないと。


こんな基本のことを忘れてた。


まずは頬でしょ!


さっきのお兄さんには出来たんだ。


……状況が状況だけど。


"怖い"


その恐怖心さえなくなればいい。


いや、その恐怖心との戦いなのかもしれない。


私は、携帯を取り出した。



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