Kiss★恐怖症
そんな俺を見て。


春「イライラしてるってことは、彼女となんかあった訳ー?」


そう春樹が尋ねてくる。


直「別に。ただ、自分に対してイライラしてるだけ」


そう。


星蘭は関係ない。


俺の勝手な言動が招いた結果なだけだ。


春「なーんだ。兄貴の彼女、もらっちゃおーかと思ったよ」


直「なっ…春樹!絶対、星蘭に手ぇ出すなよ!!」


指を差して、注意。


春樹の女たらしぶりは、半端じゃないからな。


油断してたら、本当に仕掛けてくる奴。


はあ―…。


まあちょっとだけ羨ましくもある。


春「兄貴には関係ないしー」


腕を組み、ぷいっと顔を逸らす。


直「はあ!?大アリなんだよ!」


春「別に奪っちゃえば、こっちのもの。な、兄ちゃん」


助手席にいる樹に同意を求める春樹。


樹「んー…」


返事に困った樹。


……に見えたが。


樹「まあ奪って、その人が春ちゃんのことを好きになれば問題ないんじゃない?」


笑顔で振り返り、そう言った。




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