Kiss★恐怖症
― 星蘭 side ―


私と交換で、トイレに行った莉子。


今は、春樹くんと2人きり。


なんか―…何を話せばよいのやら。


「星蘭さん」


「ん、んー?」


「星蘭さんってさ。兄貴のこと、好きなの?」


「え!?」


覗き込むように私を見てくる。


予想外な質問に聞き返してしまった。


「あ、そうだ。星蘭さん、先に言っとく」


そういいながら、席を立ち上がり。


私の横に来る。


「…ちょっと耳貸して」


顔が近いと思った瞬間。


―――チュッ


春樹くんは、私の耳に軽く触れるぐらいのキスをした。


「やっ…」


私は、耳を押さえた。


なななななにぃぃぃ!!??


キ、キスされた!!!!


私は、顔も耳も赤くなる。


「ふふ。やっぱり星蘭さん可愛いわ。兄貴にはもったいないくらい」


にこっと笑う春樹くん。


この光景を。


遠くから見てしまった人がいた。





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