Kiss★恐怖症
私は、直樹に話しかけることなく。


いわゆる、無視。


「お、おい!!」


なんて呼び止めてきたところで、私は止まらない。


真っ直ぐ、春樹くんのいる席へ。


「あ、星蘭さ……と兄貴…」


なんで兄貴がいんの?、みたいな顔の春樹くん。


でも、気にしない。


私は、自分の鞄と莉子の鞄だけをさっと取ると。


「春樹くん。悪いけど、先に帰るね。じゃあ」


それだけ言って、その場を去る。


私の台詞は、超棒読みで。


しかも、何か怖さを感じる笑顔だったと思う。


だからか、直樹も、すれ違い様に話しかけてこなかった。


いや、話しかけれる状態じゃなかったと思う。


でも、今の私にそんなことは関係ない。


とりあえず。


私はトイレへ行き、莉子を手首を持ち。


早足で、ファミレスから出ていった。




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