Kiss★恐怖症
「せ、星蘭!?」


「……」


ずっと黙ったまま。


早く、その場から立ち去りたい気持ちが強かったから。


結局、駅まで無言のまま。


「……莉子」


やっと話しだす私。


「本当にごめんね」


「えっ…」


「莉子を泣かすなんて…有り得ない!!」


頬をぷーっと膨らます私。


本当に許せない。


莉子は関係ないのに。


何も知らなかった私に非がある。


それと、勝手に巻き込んだ直樹。


「ホント、直樹のやつ許せない!!」


「せ、星蘭…そんなに怒らなくても―…」


怒っている私に焦る莉子。


普段怒ることないから、余計にびっくりしたんだろう。


「ううん。女の子泣かせるって有り得ないでしょ」


「で、でも、私が泣いてたのは自分が情けなかったからだし」


「でも、巻き込んだのは直樹でしょ?だから、直樹が悪い」


私は意外と頑固者。


頑固な私に少し呆れ気味かもしれない。





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