Kiss★恐怖症
「そ、そ、そ、そうなの――っ!?」


「お、おい!声大きいっつーの!」


唇に人差し指を当てる。


「あ、ごめん」


と、声のトーンを落とした。


「私、全然知らなかった―…」


「そりゃそうだろ。言うつもりなんてなかったんだからな」


誰にも言うつもりはなかった。


なのに。


バレるとは、最悪の失態だ。


「絶対言うなよ?」


「わかってるよー。まあ、言われてみれば好きでもなかったら、わざわざアレを治そうなんて思わないよね」


うんうん、と一人で納得する野々宮。


「……あ!」


何か思いついたのか、俺の顔をにこにこしながら見る。


「神谷くんっ!じゃあさ……―――――――」





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