Kiss★恐怖症
―――――――…
―――――


――ピーンポーン


………なぜだ。


なんで、俺は―…。


[はい]


「あ、野々宮です」


[あら!莉子ちゃん?]


「はい!学校で配られた手紙持ってきましたー」


[ちょっと待ってね]


インターフォンが、カチャリと切れた。


「神谷くんは、見えないところで待ってて」


「お、おうよ…」


俺は玄関から見えないように隠れてしゃがんだ。


そう。


俺は、今。


―――星蘭の家の前にいる。


野々宮に、連れられてきた。


プリントを持って来たっていうのを口実に。


星蘭に会ったらどうかという―…。


ああ。


どんな顔をして会えばいいんだろうか。


とりあえず。


今の仲を、直さなくちゃならない。






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