Kiss★恐怖症
――ガチャ


「あ!おばさん!こんにちはーっ」


「あら~。わざわざ、ありがとうね」


「いえいえ」


そういいながら、莉子は門を開け。


星蘭のお母さんのいる玄関口へと足を進めた。


プリントを手渡しながら。


「あの―…星蘭と会えますか?」


「ええ、会ってやって!なんかあの子、最近元気ないみたいだから」


そう言うと、2階に向かって大きな声で星蘭の名を呼んだ。


「悪いけど、火を付けたままだから戻るわね」


「あ、はい!すみません!ありがとうございました」


星蘭のお母さんは、家の中へと戻っていった。


俺の位置から、姿は見えないが。


話し声はばっちり聞こえていた。


しばらくすると。


「あ、莉子~っ」


「星蘭!体調、大丈夫!?」


「全然、バッチリ良くなったよー」


「心配したよーっ。安心した!!」


2人の笑い声が、聞こえた。


俺の鼓動が微かに速くなる。




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