Kiss★恐怖症
「…とりあえず…今時間ある?」


「あ…うん。用意してくるから、ちょっと待ってて」


星蘭はそういい、ドアを閉め。


一旦、中へと戻っていった。


「はあ―…」


なぜかため息が漏れる。


俺は、門の外へと出た。


壁にもたれながら、話すことを整理する。


言い訳はせずに。


ちゃんと謝る。


なんて考えている間に―…。


「…公園行こう」


そう言い、歩いていく星蘭がいた。


俺は少し後ろをついて行く。


久しぶりに見た。


少しだけ、ほっとした安心感に浸った。


公園には、子供たちが遊んでいて。


明るく賑やかな場所だった。


俺たちは、少し遠めのベンチに腰掛けた。


座ったはいいが―…。


なんともまあ微妙な距離が開いている。


いや、今はそれどころではない。


「星蘭…」


「ん?」


「野々宮を巻き込んで悪かった。ごめん」


「…」


俺の方は一切向かず、無言の星蘭。


どうしよう…。


この空気が一番痛い。





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