Kiss★恐怖症
好きだ、と言ってしまったほうが説明しやすい。


なんて考えが頭の中でおさまらない。


そんな俺は。


過ちを犯してしまった。


「…星蘭さ…好きな人いるの?」


「え…」


無意識のうちに口走っていた。


我に帰ったときは、すでに遅し。


顔を真っ赤に染めた星蘭が。


「えぇぇえ!!??」


と、叫んでいた。


……やばい。


直感で感じた。


「ご、ごめん!!今のなし!!」


俺は必死にごまかす。


何やってんだよ、俺!!


あ―だめだ。


「私は「俺、ちょっと飲み物買ってくるわ」


星蘭の言葉を遮り。


俺は、とりあえず星蘭から離れた。


速くなる足取り。


お互い抵抗ついてなさすぎる―…。


でも顔が綻ぶ。


すれ違いってのは。


相手のことを大切に思っていれば思っているほどに、つらい。


それを実感した今。


星蘭を手放したくない想いが強くなった。





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