Kiss★恐怖症
変に真剣な俺に。


「ふふっ、直樹のほうが真剣になってどうするのよ」


頬をゆるまして笑う。


「なっ―…」


そんな自分が急に恥ずかしくなって。


一気に顔が熱くなる。


「でも、直樹だけだよ」


…え?


「そんなこと言ってくれる男の人」


「え、い、いや!!そ、そんなことねーし!!!」


恥ずかしさを隠すように。


ふいっと星蘭から背けた。


「お世辞じゃないよ!本気だよ」


恥ずかしいけど。


星蘭にそう言われて嬉しい。


もしかしたら。


フリが本当になる日も、遠くない。


なんて、期待を抱いてしまうほどに。


< 163 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop