Kiss★恐怖症
「んーよし!」


何か気合いを入れ、勢いよく立ち上がる星蘭。


そして。


俺のほうを向いたと思うと。


自分の唇に、2本の指をあて。


その指を。


――――俺の唇に、そっと当てた。







………俺は。


驚きすぎて声もでなかった。


そんな俺とは裏腹に。


「第一段階のキス」


そういい、にこっと笑っている星蘭がいた。


なんでだろうか。


今凄く。


星蘭が強い女性に見えた。


俺が護ってやらないと。


って、ばかり思っていたけれど。


それは、間違っていたみたいだ。


むしろ。


俺のほうが、口だけのダメな男だったんだ。



< 164 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop