Kiss★恐怖症
私は直樹が好き。


でも、直樹には好きな人がいて。


よく考えてみるとこれって。


一方通行だよね―…。


「そうなの…かな?」


「もう確実。だって神谷くんも星蘭のことす…あ、なっ、なんでもない!」


笑いながらなにか慌てるように、手を顔の前でおもいっきり振る。


「う、うん」

―――え?


私も笑いながらそれに対して返事をする。


だけども。


私は聞き逃さなかった。


最後まで言わなかったけど。


"だって神谷くんも星蘭のこと好き"


そう言うつもりだった?


………いやいやいや!


だめだめ。


ただの勘違いかもしれない。


そう。


ただの勘違い。


うん、勘違い。


そうだよ。


勝手に舞い上がったら。


―――自分がつらくなるだけだ。



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