Kiss★恐怖症
たわいもない話をしていると、すぐに駅に着いた。
「定期定期っと―…」
私が鞄の中を探り始めるころ。
「悪いけど、先に帰っといてくれる?」
顔の前で手を立てて申し訳なさそうに謝る莉子。
「あ、うん!用事?」
「あー…うん、用事。ちょっと買いたいものがあってね!」
「買い物だったら付き合うよー」
と繁華街のほうへ足を進めようとしたが。
「い、いいよーっ!遅くなったら困るし!」
「え!?ちょっ…」
早く帰って神谷くんに連絡してあげなさい、といいながら私の背中をくるりと駅に向け押し進める。
「また明日ね、星蘭」
「うん、気をつけてね。遅くならないようにー!」
「星蘭は私のママか!うん、じゃあ」
私は歩いていく莉子に手を振った。
さあ、帰ろう。
鞄から探しだした定期を改札口に通す。
キス恐怖症の原因がわかった。
さて。
これからどうしようか。
言いたいけど言いたくない。
矛盾だらけ。
でも言わないと、直樹の恋が始められない。
もう。
――…なのかな?
「…潮時…なのかな」
私はそう小さく呟き、肩を落とした。
「定期定期っと―…」
私が鞄の中を探り始めるころ。
「悪いけど、先に帰っといてくれる?」
顔の前で手を立てて申し訳なさそうに謝る莉子。
「あ、うん!用事?」
「あー…うん、用事。ちょっと買いたいものがあってね!」
「買い物だったら付き合うよー」
と繁華街のほうへ足を進めようとしたが。
「い、いいよーっ!遅くなったら困るし!」
「え!?ちょっ…」
早く帰って神谷くんに連絡してあげなさい、といいながら私の背中をくるりと駅に向け押し進める。
「また明日ね、星蘭」
「うん、気をつけてね。遅くならないようにー!」
「星蘭は私のママか!うん、じゃあ」
私は歩いていく莉子に手を振った。
さあ、帰ろう。
鞄から探しだした定期を改札口に通す。
キス恐怖症の原因がわかった。
さて。
これからどうしようか。
言いたいけど言いたくない。
矛盾だらけ。
でも言わないと、直樹の恋が始められない。
もう。
――…なのかな?
「…潮時…なのかな」
私はそう小さく呟き、肩を落とした。