Kiss★恐怖症
直樹からだっ!


私は密かに胸を踊らせながらメールを開いた。


"8月8日空いてる?
学校の近くで花火やるみたいだから行かないか?"


絵文字も使われていない文がまた男らしいメール文。


8月8日の花火大会って今私が行きたいと思ってたものだ。


それに直樹から誘ってくれるなんて。


これほど嬉しいことはない。


私は急いで返事を打った。


"空いてるよ!!私もその花火大会行きたかったんだよねー♪莉子はバイトだしどうしようって思ってた。誘ってくれてありがとう!"


よし、送信。


「ふっふふ~っ」


私は嬉しすぎて携帯を両手で握りしめながら、ベットの上を転がる。


直樹から誘ってくれた!


これはただフリの延長線上なのかもしれない。


けど、それでも嬉しい。


その気持ちは正直なわけで。


ああ、楽しみ。


ただ純粋に楽しみ。


もう、顔がにやけて止まらない。


あ!


莉子に報告しておこう。


唯一の相談相手で親友。


私は莉子にその嬉しさをめいいっぱいメールで表現した。



< 246 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop