Kiss★恐怖症
最寄り駅に到着。


2人とも足を止め、星蘭は直樹のほうを向く。


「じゃあ、また」


「ん。じゃーな、星蘭」


それだけ言って、私たちはお互いの方向へ向いて 歩き出した。


私だけ少し足を止めて、後ろを振り返る。


すると、直樹はこちらを向かず、ひらひらと手を振っていた。


テレパシーでもあるのかって言うぐらい。


私は少し顔を緩ませた。


そして、また駅のほうを向いて歩き出す。


これから、神谷く…"直樹"との彼氏彼女生活が始まる。


付き合ったことは、もうどっちでもいい。


キス恐怖症が治るまでの話。


付き合ってないとキスは言ったから付き合ったっはいえ…。


私が拒否したら、そこで終わりってことは考えなかったのか、なんて思うけど。


直樹の善意に甘えてもいいかな。


――キス恐怖症を明かして、気分がいいのも今日が初めてだ。



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