Kiss★恐怖症
ちょっと、むっとした顔で。


「迷惑か?」


って私に聞いてくる。


だから。


「うん、迷惑」


そう即答してやった。


でも、さすがしつこいあいつ。


「そっか―。…でも、迷惑って言われたら、もっと迷惑かけたくなるよ、俺」


「はー!?…えっ!!ちょ、ちょっと―…」


私は、脇を支えられて直樹の自転車に横向きに乗せられた。


私、背高い方なんだからわざわざ乗せてもらうほどじゃない。


直樹も、前に乗る。


「星蘭、鞄貸して」


私からもらった鞄を、前のカゴに突き刺すように入れる。


「じゃあ、しゅっぱーつ!!!」


そう言って、直樹は私を乗せたまま、ペダルをこぎ始めた。




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