Kiss★恐怖症
校門を少し入ったとこにある自転車置き場に、自転車を停める。


よいしょ、と足を地につけた。


前のカゴから、鞄をとり、私に渡す直樹。


「ありがとう」


「ん。じゃあ、教室い…あ、クラス違うんだったな」


そうだ。


A組とF組という、真逆のクラス。


校舎が違うから、一緒にいるのは玄関口まで。


2人は、足を進めた。


…やはり、思っていたとおりだ。


私たち、すっごく注目されてる。


「星蘭。昼休みにそっちのクラス、に行くから」


「え、あ、うん…」


視線ばかり気になって、直樹の話があまり頭に入らない。


返事は…なんとなく。


昨日の今日だから、まだ噂にはなってないと思うんだけど。


噂って、他の噂を作りだしたり、掘り返されるからなんだか怖い。



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