Kiss★恐怖症
なんか、それはそれで複雑な気持ちではあるんだけど。


校門を通りすぎ、右へと足を進めようとした時。


「あのさ」


直樹が足を止めた。


「え?何?」


私は、後ろを振り返り足を止めた。


「今日、うち来ない?」


…は?


「な、な、なんでいきなり―…」


私の足は、なぜか後ろに下がる。


「いやいや!そんなに遠ざからなくても!やましいことなんて考えてないし!」


「"やましいこと"!?」


「だから違うっつーの!!」


じゃあなぜ、家!?


「ただ、"あれ"を治す方法を考えるだけだから!」


あ、そうだ。


本当の目的が、頭から薄れてた。



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