Kiss★恐怖症
門の前に立った直樹。


「俺」


この言葉を放った瞬間、あの大きな門がキィーと音を立てて開く。


「すごっ…」


なんか…"ひらけゴマ"みたい。


なんて想像していると。


「星蘭、はやく!門閉まる!」


門の向こうで、叫んでる直樹が目に入った。


「え!嘘!?」


「マジマジマジ!」


「えーっ!ちょっと待ってよー」


私は小走りで、門の中へと足を踏み入れた。


本当見とれてしまう程の神谷家。


そこに直樹が住んでいるなんて。


凄すぎて、少し前にいる直樹の全身を見てしまう。


「…何?」


そういいながら、首だけ私の方を向く。


「え、いや、何も」


「なんか視線が刺さってんだけど…」


「なっ…いやいや!直樹の全身なんて見てないし!」


「俺の下から上まで、見てたんだ」


口角を上げてニヤリと笑う。



< 75 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop