Kiss★恐怖症
「…あの直樹の、お兄さんですか?」


「え、お兄さ…くっ~」


くすくすと笑い始める。


…え?


私、今変なこと言った!?


いやいや。


笑われるようなこと言ってないよね!?


なのに笑うとか…。


意味不明!!


でも、これも心の中だけで思うこと。


「ごめんごめん。まあ、そんなところ」


"そんなところ"って―…。


「でもさ。あの人が彼女を連れてくるなんて珍しー」


「え…」


私が後ずさる足元には、黒い机が。


「っうわ!!…」


引っ掛かり、バランスを
崩した。


やばい!!


後ろに倒れるっ…!!



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