Kiss★恐怖症
玄関もあまり人はいない。


涼しい風が、なぜか今の私に痛く染みる。


靴を履きかえ、校門へと歩き出したとき。


……あれ。


私は足を止め、校門のほうを見つめる。


「あれって―…」


校門には、見覚えのある車が止まっていた。


しかもつい最近。


黒い高級車。


……神谷家の車だ。


もしかして。


何も言わずに、あそこに直樹が乗ってるの!?


…何それ…。


意味不明なんだけど!!


あれだけ待って、これ!?


私は、怒りを募らせながら、道を歩いていった。


ズカズカと。


色々な意味で、足が軽くなった気がする。


直樹が乗ってたら、ひっぱたいてやるんだから!!



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