「好きになるはずなかったのに」
「露ちゃん!」
アパートの鍵を開けた瞬間、背後から、階段を掛け上がる音とともに
胸がきゅんとときめく声がし、露はナチュラルメイクを纏った頬を紅潮させ
振り向いた。
―――がしっ!!
「つ!円谷さん!?」
円谷は露子と目も合わさないうちに
鍛えた男の身体で露子をきつく捕え、抱きしめた。
「……露!露!」
荒い息遣いで自分の名前を連呼する彼は
いい様がない程艶めかしい。
「な……つや……さん?」
グロスで潤んだ、たっぷりした唇が勝手に円谷の下の名前を呼んだことに
露子は自分で驚いた。
一寸先の美麗な円谷に露子は明らかに欲情していた。
「……露子……」
彼によって、がっしりと押さえつけられた露子の嗅覚は金木犀を捕え
唇には梅雨より湿った空気を感じ
他のどこかしらも湿ったものを感じ……
アパートの鍵を開けた瞬間、背後から、階段を掛け上がる音とともに
胸がきゅんとときめく声がし、露はナチュラルメイクを纏った頬を紅潮させ
振り向いた。
―――がしっ!!
「つ!円谷さん!?」
円谷は露子と目も合わさないうちに
鍛えた男の身体で露子をきつく捕え、抱きしめた。
「……露!露!」
荒い息遣いで自分の名前を連呼する彼は
いい様がない程艶めかしい。
「な……つや……さん?」
グロスで潤んだ、たっぷりした唇が勝手に円谷の下の名前を呼んだことに
露子は自分で驚いた。
一寸先の美麗な円谷に露子は明らかに欲情していた。
「……露子……」
彼によって、がっしりと押さえつけられた露子の嗅覚は金木犀を捕え
唇には梅雨より湿った空気を感じ
他のどこかしらも湿ったものを感じ……