「好きになるはずなかったのに」

「さて!今日のメニューはどうしようかなと……」


ジャングルカラーのマフラーから

ぽっちゃりとした首を解放しながら、店に到着した冬実は

るんるんと彼女の顔を思い浮かべながら、その日のメニュー練る。


昨日の彼女、今日の彼女のコンディションを考えながら

何のスープをつけるか、何の野菜を添えるか

……彼女の為のプレートを考える。


「うん、今日はシトラスにして……

 あとはどうしようかな……」


角の丸いガラスのテーブルを拭き

星形のお砂糖、長方形のバスケットに

ナイフ2本、フォーク2本をセットしたものを並べ

黄緑のランチョンマットを敷き一つのテーブルの準備が完了。


それを4回繰り返し、後は彼女のいつも座る

特等席の準備にかかる。



















< 37 / 54 >

この作品をシェア

pagetop