「好きになるはずなかったのに」
「さて!今日のメニューはどうしようかなと……」
ジャングルカラーのマフラーから
ぽっちゃりとした首を解放しながら、店に到着した冬実は
るんるんと彼女の顔を思い浮かべながら、その日のメニュー練る。
昨日の彼女、今日の彼女のコンディションを考えながら
何のスープをつけるか、何の野菜を添えるか
……彼女の為のプレートを考える。
「うん、今日はシトラスにして……
あとはどうしようかな……」
角の丸いガラスのテーブルを拭き
星形のお砂糖、長方形のバスケットに
ナイフ2本、フォーク2本をセットしたものを並べ
黄緑のランチョンマットを敷き一つのテーブルの準備が完了。
それを4回繰り返し、後は彼女のいつも座る
特等席の準備にかかる。