「好きになるはずなかったのに」

「う~~~さみかったよ~~」

顎をガクガクさせながら

蒼白な露子はダメージを軽減させようと

二の腕をさすりながら

いつもの4人掛けのテーブル席へと

身を放り投げた。


「うわ……つゆ、今日なにそれ」


冬実は、露子のいつもに増して、オーラの様に爆発している髪を見ながら

既に用意していたシトラスハーブティーを差出し

向かいの椅子に座った。


「え?いつもと同じだし!

 いや……でも……」


「何?どしたの?」何処までも泳いでいく露子の視線を捕えようとしたが

 露子は目を白くしてそれを回避した。

 うっ!と冬実は後ずさりをした。


「……お腹すいた。何でもいいから出してくれ」


 露子はお客様の態度を大袈裟にとった。その所為でテーブルに置かれたガラスのプレートはごつっと臍を曲げた音を立てたのは言うまでもない。










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