「好きになるはずなかったのに」
「いいのよ!美しいものじゃない?
一目惚れだって立派な恋愛なんだし。
きちんとそれでお付き合いに発展もしてるんだから。
まあ確かに?中身がちょっととんちんかんな奴もいたけど……
股掛けられたりもあったけど?
……あ、イライラして来ちゃった」
露子は携帯をちらりと見て言った。
「で、何時にくるの?」
「もうそろそろだよ」
露子は紙ナフキンで口を乱暴に拭き
“仕事場”の荷物をまとめ、キルティングのバックに詰め込んだ。
冬実はニヤついた。
「露?逃げるの?おかわりはいいの?」
「冬実。いつも言ってるけど、そういうのは一日前には報告してくれないと
私はダメなの。
なので……」
言い終わるが早いか、露子は支度を済ませ
更にはキッチンの前のカウンターにタッパーを出し、ワッフルの持ち帰りを所望した。