「好きになるはずなかったのに」
「露はちょっと……あれなんです。
ほんの少し、人見知りで。
もし第一印象悪かったらそれは一掃してあげてください。
すごくいい子なんですっていっても私の方が年下なんだけど」
「いや!全然そんなことなかったし!」
フォークを急いで振って見せた彼に、冬実はやさしく口はしを上げ頬杖をついた。
「じゃあもしかしたら円谷さんは露とお友達になれるかもしれないな。
ほら、これ」
冬実はエプロンのポケットから、小さく折りたたまれた手のひら程のケント紙を取り出して見せた。
広げて見せたそれには円谷にそっくりなイラストが、マーガレットを背景に微笑を浮かべていた。
「……!?あれ!?これは……」
目を1.5倍に見開いた円谷に冬実はにんまりした。
「これ、円谷さんですよ。うまいでしょ?
露が描いたんですよ」