【中編】夢幻華
隣りの部屋から微かに聞こえる甘い声。

……これって聖良ちゃんだよな。

彼女が俺達が隣りにいて気にしないはずがない。ってことは…。


……龍也…お前わざとやってんだろ?


『協力してやるよ』

あの言葉の意味がようやく理解できた。

マジかよ、龍也。俺を触発して協力しているつもりか?これってすげぇ拷問じゃねぇか。

「ん…暁、起きたの?今何時?」

俺の気配でか隣りの声のせいか杏が薄っすらと目を覚ました。

まずいだろこれって?気付かないでくれよ。


< 118 / 138 >

この作品をシェア

pagetop