【中編】夢幻華
「僕は暁くらいの年に茜を17才で貰っているしね。暁を反対できる立場じゃないんだよね。だから賛成なんだよ。わかる?」

それってすげ―説得力あるかも。

「右京さんは杏ちゃんの相手に暁じゃ不服なの?」

陽歌母さんが強気に出たので右京父さんも一瞬言葉に詰まった。そこをすかさず蒼母さんがたたみ掛ける。

「じゃあ、右京は杏が何処かの馬の骨さんと結婚して私たちと離れて暮らすほうが良いって言うの?」

すげぇ究極の選択を迫ってくるよなあ。蒼母さん。右京父さんに勝ち目は無さそうだな。

「あーもうっ!くそっ!!お前ら全員で暁の味方をしやがって。俺はなぁ絶対に晃と義兄弟(きょうだい)になんてなりたくなかったんだよっ。」

……へ?

「それなのにこいつは茜と結婚して俺と義兄弟になりやがった。」

「だって僕のほうが先に結婚したんだよ?そんなに嫌なら右京が結婚を止めればよかったんじゃないか。」

……ちょっと待て?

「この上晃の息子のお義父さんなんていやだっ!!そりゃ、俺にとっても暁は息子同然だしかわいいさ。杏の婿として申し分ない条件だと思うぞ?だけどいやだっ。晃の息子だけはぜって―嫌だ!」

……それって俺に反対しているんじゃなくて…父さんの問題なのか?

「父さんと右京父さんって親友だろう?何で嫌なんだよ。普通はこう言う状況って嬉しいもんなんじゃないのか?」

「晃以外なら喜んだかも知れんが、こいつの息子として生まれた事を後悔してくれ、暁。」

マジかよー?


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