【中編】夢幻華
まだ幼いお前にこんな気持ちを抱くのはおかしいのだろうか

まだ、あどけなさの残るお前には俺の抱く欲望を知られたくは無い。

いつの間にかお前の笑顔が眩しくて真っ直ぐに見つめる事が出来なくなってしまった。


潤んだ瞳に唇を触れその柔らかな唇を奪いたいと何度願っただろう。

強く強く抱きしめて、その細い首筋に紅い華を咲かせたいと願ってしまう俺の想いをお前は知らない。

無邪気に抱きついてくるお前の柔らかい体をそのままシーツに繋ぎ止めたいと思う俺はいつかおまえを汚してしまう。


こんなにも愛しいのに


俺はお前をいつか傷つけてしまうだろう


あんず…


杏…


名前を呼ぶだけで、こんなにも心が揺れる

俺のそんな想いを知るにはお前はまだ幼すぎて…

お前の成長を待っていたいのに、俺にはその勇気すらない

お前を傷つけてしまいそうで…

自分の想いだけをぶつけてしまいそうで…


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