あたしの絶対的恋愛事情
「あ、ううん。やっぱなんでもない。後でノート見せて」

そう言うと、分かった と言って瞬がまた前を向いた。



ーー放課後ーー

帰る準備をしていると、

「麻妃」

ふと声をかけられて、顔を上げると

「あ、拓也」

拓也とは、中学2年の時付き合ってた元カレ。中学2年の時拓也から告られて、

流れで付き合ったけど、拓也の男らしいところをだんだん好きになって、順調に付き合っ

ていた。でも、中学3年の時、拓也が浮気したことによって別れた。

偶然にも同じ高校だったことはつい最近知ったんだ。

拓也は、昔に比べると背ももちろん高くなったしさらにかっこよくなっていた。

「何?なんか用があって来たんでしょ?」

あたしがそう言うと

「あのさ、放課後時間ある?ちょっと話したいことがあるんだけど・・・」

話?なんだろう・・・。あっ!てか、あたしアイツから眼鏡返してもらってないんだった

・・・。どうしよ・・・ふと蒼井翔太がいる方へ視線を移した。

バチッ

あ、目が合った・・・。やばい、なんかアイツの顔見るとイライラしてきた。

「麻妃?どうした?無理っぽいなら明日でもいいんだけど・・・」

拓也の声がして、またアイツから拓也へ視線を戻した。

「あの、ホントに悪いんだけど明日にしてくれる??今日はちょっと用事があって」

そう言うと、拓也は

「そっか、分かった。じゃあ明日」

そう言って去って行った。

はぁ・・・、てか拓也の話ってなんだろう?まぁ、明日聞けばいいか・・・。

いや、今はそれどころじゃない!!眼鏡返してもらわなきゃ!!よしっ!

そう決心し、アイツの元へと向かった。

「蒼井翔太!!あたしの眼鏡返しなさいよ!いつまで持ってるつもり?困るんだけど!」

いきなり大きな声を出したことによって、残っていたクラスメート数名がケンカと勘違い

して次々に帰って行った。・・・ちょっと叫びすぎたかな・・・。

「何?返してほしかったらキスしてって言ったじゃん。あ、それともキスしてくれるから来てくれたとか?あはは、ちょうどみんな帰ったことだし・・・」

そう言って、蒼井翔太が立ち上がり近づいてきた。



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