The ring is a cupid
*
「詩音、あんた手と足同時に出てた」
「う、嘘っ!!」
顔を手で覆う。
恥ずかしすぎるっ。
「的場ー、これ配っといて」
担任の先生に声をかけられた。
見ると、そこにはクラス分のプリント。
以前の授業で使ったものだ。
「あ、はーい。理沙、はい半分」
島田理沙(しまだ りさ)。いつも一緒に居る友達の一人。
さっき話してたのも理沙だ。
「次は配布係なんかには絶対ならない!」
ぶつぶつ文句を言いながら理沙は私の手から、プリントの束を受け取った。
「ごめん、付き合わせちゃって」
「何気にしてんのー」
ニッコリ笑う理沙。こういう所が、本当に好きだ。
本来なら面倒くさい配布係を選んだのには理由がある。
「あ…」
斉藤くんのプリントやノートを配る為だ。
「お、ありがと」
「い、いや…」
しっかりしろ、私!!
そんな風に自分に言い聞かせても、逃げる様に彼の
席から離れてしまう。
斉藤くんは、いつもお礼を言ってくれる。
ただ決められた係で、当たり前に配ってるだけなのに。
輝かしい笑顔でありがとう、と言ってくれる斉藤くんに私は
いつも心が温かくなる。
配り終えて、すとんと椅子に座った私の頭を理沙が叩いた。
「大丈夫ー?顔赤いよ?」
ニヤニヤしながら言ってくるもんだから、少し大きな声で大丈夫!!と言ってしまった。
「もうっ!」
ごめんごめん、と笑いながら去っていく理沙から視線を外す。
自分の席から2つ隣の席。
───斉藤くんの席。
「詩音、あんた手と足同時に出てた」
「う、嘘っ!!」
顔を手で覆う。
恥ずかしすぎるっ。
「的場ー、これ配っといて」
担任の先生に声をかけられた。
見ると、そこにはクラス分のプリント。
以前の授業で使ったものだ。
「あ、はーい。理沙、はい半分」
島田理沙(しまだ りさ)。いつも一緒に居る友達の一人。
さっき話してたのも理沙だ。
「次は配布係なんかには絶対ならない!」
ぶつぶつ文句を言いながら理沙は私の手から、プリントの束を受け取った。
「ごめん、付き合わせちゃって」
「何気にしてんのー」
ニッコリ笑う理沙。こういう所が、本当に好きだ。
本来なら面倒くさい配布係を選んだのには理由がある。
「あ…」
斉藤くんのプリントやノートを配る為だ。
「お、ありがと」
「い、いや…」
しっかりしろ、私!!
そんな風に自分に言い聞かせても、逃げる様に彼の
席から離れてしまう。
斉藤くんは、いつもお礼を言ってくれる。
ただ決められた係で、当たり前に配ってるだけなのに。
輝かしい笑顔でありがとう、と言ってくれる斉藤くんに私は
いつも心が温かくなる。
配り終えて、すとんと椅子に座った私の頭を理沙が叩いた。
「大丈夫ー?顔赤いよ?」
ニヤニヤしながら言ってくるもんだから、少し大きな声で大丈夫!!と言ってしまった。
「もうっ!」
ごめんごめん、と笑いながら去っていく理沙から視線を外す。
自分の席から2つ隣の席。
───斉藤くんの席。