ビターチョコ
失敗
私と彼の出会いは、まず、
きっかけとなった小学校4年生の時の恋の話と、
2つの失敗の話からしなくちゃいけない。
小学校4年生のとき、私は幼いながらに恋をしていた。
今となっては
もぅ恋と呼べるのかがよく分からないけど。
相手は、同じクラスだった三宅京太(みやけきょうた)。
優しくて、少し知的な彼の雰囲気に、
子供だった私は好意を寄せていた。
彼とはすぐに仲良くなり、
放課の時間は、暇さえあれば彼の元へ行った。
毎日が楽しくて、幸せで、
恋はこんなに、幸せなモノなんだ・・・。と思っていた。
しかし、思春期真っ只中の小4達は、
そんな恋心を放っておいてはくれなかった。
1人に打ち明けた次の日には、クラスのみんなが知っており、
プライバシーもヘッタクレも無かった。
次第に話すことは無くなり、
もぅ関係なくなったのだが、
冷やかしはそれでも止まず、小学6年生になるまで続いた。
・・・今思い返しても、本当に自分と言うものは、
幼かったんだなぁと思う。
中学校に入学して、ついに噂もなくなった頃、
私はまた、三宅のことを好きになっていた。
・・・もしかしたら、もしかしなくても、
私は三宅じゃなくて、三宅を好きな自分のことが、一番好きだったんだと思う。